デスクトップ仮想化のメリットについて確認してみた

デスクトップ仮想化については、最近まで本当に有効なのか半信半疑だったのだが、詳しくメリットについてまとめた資料があったので、確認してみた。
http://japan.zdnet.com/news/itm/story/0,2000056188,20395846,00.htm

デスクトップ仮想化では、ハードウェアをサーバーに集めるため、既存のPCのCPU, メモリ等と同量に近いリソースをサーバーとして購入する必要があり、更にシンクライアントとして、クライアントPCも購入する必要がある。また、前回書いた通り、youtubeなどを見るためには、クライアントPCにもある程度のCPU, ビデオカードを置く必要がある。
http://d.hatena.ne.jp/aaabbb_200904/20091011/1255233909

サーバーのリソースはクライアントPCと比べて若干高価なので、(もちろんその分、品質はよいのだが。。)同量に近いリソースを購入するのは若干厳しいと考えていたのだが、調査結果を見る限り、PCリプレースの手間を考えると、大体

デスクトップ仮想化のハードウェア費用 /クライアントPCのハードウェア費用 = 1.5〜2

程度に収まりそうな感じだ。これくらいの価格差なら、運用の簡単さを持ち出すまでもなく、 KVM, KSM等を上手く使ってCPU, メモリの量を抑えることで、クライアントPC購入よりもハードウェア費用を抑えることすら出来そうに見える。。

ソフトウェアについては、やはり仮想化ハイパーバイザが必要ということでかなり高価なのだが、Red Hat Desktop 等もう少し安手で利用できるデスクトップ仮想化に期待したい。。

元々メリットとして大きいところだった運用管理の簡単化については、 デスクトップ仮想化により1/10程度までコストが抑えられるようだ。フィックスの配布や新規OSの導入が圧倒的に楽になるため、この辺は当然だろう。。

また、少しおもしろかったのが、ウィルススキャンの間業務に支障が出る時間を試算に取り込んだところだ。デスクトップとして使っていると夜中にウィルススキャンを実施するわけにいかず、どうしても日中にウィルススキャンを実施する必要があるため、その間多少なりともPCのパフォーマンスが悪くなる。デスクトップ仮想化後は、ウィルススキャンやパッチ適用など時間のかかる作業を夜中に実施することができるようになるため、この点も大きなメリットといえそうだ。

結局試算では、デスクトップ仮想化は運用を楽にするだけでなく、コスト面の削減にも有用との結論なのだが、いろいろと今まで曖昧だった部分が明確になった感じだ。
他のメリットとして、PCのディスクが足りなくなった場合に自由に追加できるという点も上げたいのだが、これは次回以降実際にKVMのデスクトップにディスクを追加してみようと思う。